takanorip blog

サイゼリヤの注文画面は語りたい

2025年10月29日

サイゼリヤの注文画面について論評するのが流行っているらしいので、自分も便乗してみることにした。
話半分に読んでくださいね。

あの注文画面、僕の好みではない。
使いにくいと思うし、もっと良いUIはいくらでも考えられる。
デザイナーとかデザインエンジニアとかを名乗っている手前、どんな背景があったとしてもあのデザインを褒めたくはない。

一番好ましくないことは、画面が客ではなく店のオペレーションに最適化されていることだ。
われわれがサイゼリヤで入力している番号は客側の言語ではない。店側の言語なのだ。
本来店側が負担するべき、客の注文を店側の言語に翻訳するという仕事を客に押し付けているのである。

サイゼリヤはこれを意図的にやっていると思う。
システムを内製化したからとか、デザインできる人がいなくてとか、そういう仕方なくああなってしまったのではない。
明確に意図的に店の仕事を客にやらせることを目的に設計されている。それがとても気に入らない。
セルフレジで感じる憤りに近いものがあるかもしれない。

しかし同時に、あの画面はサイゼリヤらしいデザインだな、とも思う。
サイゼリヤは無駄を省き徹底的に合理的になることで理解不能な低価格を実現させている。
質実剛健さがサイゼリヤらしさであり、皆がサイゼリヤに抱いているイメージでもある。
客のユーザビリティを考慮せず、オペレーションに客を最適化させるあの画面も、そう考えるとサイゼリヤらしい趣のある注文画面であると考えられなくもない。

ああ、これがブランディングというやつなのかもな、とふと思った。

なんてくだらないことを考えていたらお腹がすいてきた。
久しぶりに、大学生の頃のようにサイゼリヤでドカ食いしようかな。

takanorip

digital design engineer. X: @takanoripe